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コラム相良先生第7回

第7回 モンテッソーリ教育40年の重み

 先日、ある幼稚園の創立40周年記念式典に招いて頂きました。その幼稚園は創立まもなくモンテッソーリ教育を導入し、地域にモンテッソーリ教育の良さを浸透させてきた園なので、記念講演を私に委ねて下さいました。この機会に40年間を振り返ると、時間と共に熟してきたものが良く見えて、あらためて感無量の想いにふけっています。

 40年前の1964年は、赤羽恵子先生がドイツでモンテッソーリ教育の資格を取って帰国し、日本でモンテッソーリ教育の実践を開始したモンテッソーリ・リバイバル元年とも言える年です。一方、その年は文部省が幼稚園教育要領に告示として拘束性をもたせ、6領域の枠内での達成保育いわゆる一斉画一教育を徹底しようとした年です。日本の保育界に相反する二つの保育形態が同時に出発しましたが、この40年の間に一斉画一保育は消え去り、モンテッソーリ教育は豊かな実を結んできたのです。

 この40年間に日本の教育界の教育形態は大きく変化しましたが、その変化の結果の検証はなされないままです。モンテッソーリ教育の成果も検証されたとは言えませんが、私は二つのことに注目し希望をもっています。一つは、その頃からモンテッソーリ教育を受けた子どもたちが成長して、30歳代、20歳代、高校生、中学生、小学生と様々の段階で共通の素晴らしい人間の美質を見せてくれている事実の報告があることです。(この調査結果をまとめるのが、目下の私の課題なのですが)。第二は、脳科学の目覚しい進歩とその研究者たちの発言のおかげで、教育を生理学や脳科学の視点から考えざるを得ない時代に入ったことです。私は、モンテッソーリ教育を受けた子どもの特徴を分析しながら、セガンの「生理学的教育」に基づいて生み出され、別名「科学的教育法」と呼ばれたモンテッソーリ教育の成果は、今少しずつ明らかになってきている「脳科学と教育」という視点から検討し語るとわかりやすいのを感じます。

 40年たってみなければわからなかった人間の事実を、今いろいろな側面から考え合わせながら、この40年の重みをずっしりと感じる2004年の幕開けです。1963年12月に、前述の赤羽恵子先生がパリのモンテッソーリ教育園を見学なさった時、私が通訳として同伴したのがきっかけで、私は1964年にパリで本格的にモンテッソーリ教育に出会いました。

 あれから40年!私はもうこんな年齢になってしまいましたが、モンテッソーリ教育が日本の中で根をはり、枝を伸ばし、実をつけています。いっぽう、脳科学の進歩が、その実の「うまみ」を適切に評価する知見を提供してくれています。私の今年の課題は、この知見を駆使して、モンテッソーリ教育の成果をわかりやすく世に紹介することです。今年もよろしくお願いいたします。

2004年1月29日  相良敦子

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